下流老人 一億総老後崩壊の衝撃
著者:藤田考典
タイトルそのままに、このブログにふさわしい本!ではないかと…。2015年発行なので、少し情報は古いが、その分未来に向けての内容がそのようになっているか考えながら読むことができる。
下流老人とは
著者の下流老人の定義から、実態まで細かく説明されている。漠然とした想像がつくと思うが、お金がなく孤独。現役時代に稼いでいる人でも、誰でもなり得るという怖さ。
本人の病気や子供の引きこもり等、様々な要因で下流老人になってしまう。
実際に苦しい状態の高齢者に会ったことがあるかと言われると、ない。
そういう状態の方は町内会に入って、ほがらかに掃除してないイメージだ。いや、気付いていないだけなのかもしれない。
知ろうとしていないだけか?
生活保護の必要性
著者は生活困窮者支援活動をされている方だそう。高齢者の実態をいくつも見て、この本でなぜ貧困状態の高齢者になってしまうのか、そしてその対策まで書かれている。
自分の親のことではあるが、貧困状態であっても生活保護を受けるのは恥ずかしい、という意識があるように思える。社会福祉制度であってももらいたくないと言ったりする。
自分からすると、何も恥ずかしくないし、もらえるものはもらっておこうと思うが、外の目を気にする人が多いのは高齢者だ。そう育ってきているのだろう。
本の中でも他者や制度に依存することは「甘え」と考えられ、それを罪悪と捉える風潮があるという。確かにもらえるものはもらおうという私自身も、もしその立場になれば、大きな声では言わないだろうし、悩むのかもしれない。
下流老人にならないためにできること
自分ではお金を貯めること、人付き合いをすること、健康でいること、かなと漠然とは思っているが、具体的に防衛策が書かれていてわかりやすい。
いつもこういう本を読んでて思うのだが、人付き合いが苦手な人って不利だよね。幸福度にもコミュニティって大きく影響するし。一人が楽しいって私も思うけど、ずっと一人は寂しい。家族と過ごしたり、友人と過ごしたりの中の一人は楽しい。
「今日は良い天気だね」って言える人が近くにいて欲しいなあ。