「ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉」
原作:辺見じゅん 漫画:河井克夫

偶然図書館で手にした本。漫画ですが、原作の小説もあるようだ。
聞いたことあるなと思ったら、2022年公開の二宮和成主演の映画「ラーゲリより愛を込めて」の原作だった。

敗戦後の日本兵がソ連軍に捕らわれ、10年もの間俘虜として過酷な生活を過ごし、最後には癌になっていしまい帰国することも叶わない。主人公山本の遺書を仲間達がどうやって持ち帰ってたのか。本当にこれが実話なのかと感動した。

いきなり小説を読むよりも、漫画はとにかく読みやすい。ただイラストがシンプルというか少し感情が伝わりにくい絵のように思える。
読み終わってから高校生の息子に読むように渡したが、興味がもてないようであった。イラストのせいではないかもしれないが。小学生の娘には特に響かないイラストのようだ。

戦争のあった時代の過酷さが漫画で表現されているため、難しい部分は理解しきれていなくても読める。現在がいかに恵まれているかがよくわかる。いつ終わるかもわからない俘虜生活は、永遠と思える程つらいものだったろう。

飢え、重労働、極寒の希望の無い日々の中でも、主人公山本は短歌や俳句を仲間と作り合い、文芸誌を作ったりする。どんな状況でも人間は人間らしい知識欲や、仲間との交流が必要なんだと思う。
個人的には山本は包容力のある学校の先生のイメージだ。どんな時も学び、心の豊かさを忘れない。

そんな知性のある人には、仲間が多くいる。それこそがこの感動的な遺書の伝達方法に繋がる。どうでもいい人のことに、皆は労力を使わないだろう。
同じ過酷な環境で過ごし、俳句や精力的な文化活動を行った仲間がいたからこそ、遺書を家族は伝えることができたのだろう。

最後には涙が出た。尊い人物とはこういう人のことだろうな。遺書を届けた仲間達にありがとうと言いたくなった。全然関係ないけど!

さとるみのる
さとるみのる

ニワトリはすぐ感動するからね!

吹き出し作れるようになったー!すごくない!
Word Balloon をプラグインしてみた。でも調べたらテーマを切り替える時は注意が必要とか、ブロックエディターに対応とか非対応とか意味わからない。とりあえずいっか!
ひとつ成長したことには間違いない!