「シャイロックの子供たち」
著者:池井戸潤
半沢直樹シリーズ他、有名作品をいくつも出されている方だね!
元銀行員ということを今回調べて知った。とにかく経済・金融関係のかけひきがすごい!この作品は映画化もされてるんだね~。
「シャイロック」の意味は
読み終わっても「シャイロック」の意味がわからないままだった…どっか出てた?
「シャイロック」とはシェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』に登場する強欲な金貸しのことらしい。なるほど、内容にピッタリだね!
大きな銀行行員で働く人達を舞台とした作品。子供たち=銀行員なのかな?沢山の子供たちが出てくるから、ニワトリ脳には誰が誰だかわからなくなったよ!
100万現金紛失事件
銀行の中での100万の紛失事件からスタート。銀行でどのように管理されて、チェックされるのかが本当によく描かれていて、どこまで現在の銀行と一致しているのかはわからないが、こんな感じで進むんだろうな~と感心した。
知らない世界だ。私も独身時代は正社員の事務だったから、何となく理解できる部分もあっておもしろい。
こういうサスペンス作品は容疑者になりそうな人が3人位かなって勝手なイメージがあるが、読み進めるとどんどん登場人物が出てくる!おっと、わからなくなってきたよと、何度もなってしまった。ニワトリ脳だとつらい!途中から登場人物を全員把握することを諦めながら読み進めてた。
銀行のノルマ、出世欲、評価、家族、それぞれの立場
けっこう前の作品(2006年)だからか、パワハラがすごい。自殺しかねないレベル。実際ストーリーの中でも病む人はいたね。でも今もこういう職場って多少はあるんだろうな。いわいるブラック企業だね。
ノルマを達成し、評価されるためにそれぞれがどう考えて動いているのか、とてもよく理解できるようになっている。その中に誰の過去なのかわからないものが入っていて、誰が犯人なのかがかく乱されるのがおもしろい!
そして、それぞれの家庭の状況が描かれていることで、何故こういう行動を取ったのかってわかるところが良い!私が比較的長編が好きなのはこれがある。その人物のバックグラウンドが理解できないと、感情移入できなくて物足りなく感じてしまう。
この本が長編なわけではないが、それぞれの心の在り方が細やかに描かれていて、なるほどね~と思った。
最後の大どんでん返し
犯人はこの人だろうなっていうのは途中で分かったが、ただそれで終わらないところが…!
最後はびっくり!!すこし曖昧さを残すところも秀逸でした。
著者の池井戸潤さんは、多数の有名作品を出されている。「半沢直樹」シリーズは有名だね。ドラマを少し見たことがある位で、実は本は去年位に初めて読んだんだよね…「下町ロケット」を。おもしろ~いと思って、最近読むようになった。今頃ですが…。
直近ではドラマ化もされた「あきらとアキラ」これも楽しく読ませてもらった。ジャンルはどれも同じ感じだから、好みは分かれるのかもしれない。
次は「半沢直樹」シリーズに手を出そうかな~。5冊あるようだから、じっくり楽しめそう♪