「ぼく、街金やってます」悲しくもおかしい多重債務者の現実
著者:テツクル

おもしろいが、自分が普段いる世界と違いすぎて恐ろしい。それがコミカルなテンポで表現されていて、
内容の重さとのギャップがすごい!

まず最初に紹介されているが、街金と闇金は別物。
街金=法律で定められた金利の範囲で貸す。取り立てもルールの範囲内(でもギリギリ)。
   でも普通の銀行で借りれれない人、ほぼ債務超過の人々が借りに来る。
闇金=法律外、取り立てルールもないいわゆるヤクザ的な貸金業者
   街金ですら借りられない人が行く。

そうなんだ…。銀行で借りられない人っているだろうけど、まだ街金の方がましかなと読んでて思った。
いや、でも明るく表現されてるけど、ルール内なの?ほぼ暴力じゃ?っていうのも結構出てくる。

著者のテツクルさんも書いているが、街金や闇金に来るような方はもう正常な判断ができなくなっているようだ。とにかくその場しのぎのお金が欲しいだけ。
不動産や家を担保にするらしいので、どうせ手放すことになるのは目に見えてるのに借りたい。

テツクルさんもどんどん手数料的なものや、紹介料でどんどんそんな人からお金をむしり取っていくが、ちゃんと親身になる部分もあったりして、読んでてとても面白かった。

世の中にはこういう環境で生きている人達がいるんだな…と、今まで無縁で過ごせている自分で良かったと思った!
街金にお金を借りにくる、いろんな人が紹介されている。
他人名義の土地を担保にしたり、最後には自殺に追い込んだり(テツクルさんが追い込んだのではない)。

しかも街金に借りるような人は、何ヶ所からも借りていて、貸した側(債権者)がお金を取り合うような形になるらしい。本当にむしりとられる。

お金は身の丈にあった使い方、借り方をしましょう。世の中お金もないとやっていけないのが悲しいけれど、贅沢にはニワトリなりに気を付けてるよ。老後が心配なニワトリは、このような世界には一生関わることのないように生きてきたいと思います!

本を読むことがなければ、こういう世界も知ることがないと思うから、本って良いよね。
いろんな種類のドラマや映画を見る人は、もっとリアルに感じることができるのかもしれない。
ちなみに私はドラマはあまり見ない。老眼が出てきて本が読みにくくなったら、ドラマに切り替えることもあるかも!