「きょうだいコンプレックス」
著者:岡田尊司
きょうだいとは何か。もちろん一人っ子の話しも書かれているが、大部分は2人以上のきょうだいの話しである。ニワトリは4人きょうだいだから、とても納得できる部分もありおもしろい本だった。
「良い子」と「悪い子」は親がつくる
「良い子」と「悪い子」は親がつくるという説明に納得。これは子供を3人育てているニワトリだから感じるものだ。
手をわずらわせず、じっと遊んでいる子は多子を育てる親にとって「良い子」と思われやすいだろう。
やりたいことをやり、散らかして言うことを聞いてくれない子は「悪い子」となるのではないだろうか。
親が「良い」と「悪い」と評価することで、比較されて育った子供達の仲が悪くなる…。
なるほどな!と思った。とにかく同じ家の中で育ち同じ親の元で育ったきょうだい。比較されるのがいやなのは当然だろう。
自分も未だに、親がきょうだいをベタ褒めしていたりすると、複雑な心境になることがある!
もういい大人なのにな、と冷静に考えるようにしている。親に愛されたいという気持ちは、本能なのだろう。
きょうだいの年齢差も、きょうだい仲に影響が出る
きょうだい間に差異や確執を生む要因として、生まれ順や年齢差にも増して重要な要因は、母親がその子の世話にどれほど没頭したかということ。
これもわかるかも…子育てが完璧な人なんて世の中にはいないだろう。だけどほとんどの人はできるだけのことはしたいと思っているはずだ。
ニワトリが仕事を軽めにしているのも、これが理由だからだ。
ニワトリは両親がとても忙しく、夜にいないこともよくあった。きょうだいが多いため一人ぼっちということはなかったが、とても寂しい思いをしたことを覚えている。できるだけ子供達に時間の余裕をもって接したいと常に思っているのだ。
きょうだい仲は、できるかぎり平等でなければならないとニワトリも思っている。個人の感情で比較し、片方をかわいがる等があるときょうだい仲は悪くなる…わが子にも気を付けなければと思った。もうだいぶ成長してるけど。
印象的だった末っ子の性格傾向
親の愛情を独り占めしやすい立場にいる末っ子。うまく立ち回る能力が高い。母子分離が遅れがちで、親も知らず知らずのうちに行動を縛ってしまうこともある…これはちょっとギクッとした!
今年の春から長女が県外への大学進学。末っ子の女の子(新中学1年生)が、私もお姉ちゃんみたいに県外に行こうかなと言った時。「お姉ちゃんと一緒じゃなくていいんだよ~」と返したが、この心理は「県外に行かなくてもいいんだよ、近くにいて」って気持ちがあったと間違いなく言える。
自分でも末っ子だから近くにいて欲しいと言うのも、親の勝手だよな…と反省し、それ以降は「好きな場所に行きなさい」と言うようにしている。
きょうだいコンプレックスは克服できるのか
きょうだいコンプレックスの根底には3つの要素がある。興味のある方は読んで欲しい。
自分のきょうだいにも、現在進行形として思うところがある。そして子育てしてる人こそ読んでほしい!自分はもう大人になってしまているが、子供だちはまだ成長途中だからだ。
完璧な人はいないから、きっと自分の子育てを振り返る必要が出てくるだろうと思う。
きょうだい間の紛争は自己愛と自己愛の戦いが多いそうだ。
自己愛は素直ではない。避難や攻撃は逆効果。きょうだい仲が悪い方は気を付けてほしい。
必要なのは敬意と譲歩で、自らを受け入れてもらいたければ、相手を貶めるのではなく敬意をもって相手の気持ちを考えて接する。自らの非を振り返ることこそが必要…とあった。
なんて難しいことだろう!ニワトリもきょうだいの1人が好きになれなかったりする。この本を読んで、簡単なことではないが、少し今後のことを考えることができた。
