「あなたには、殺せません」
著者:石持浅海
私には珍しい、ミステリの短編集。タイトルが印象的だったから思わず手に取った。
犯罪者予備軍の相談というおもしろい設定で、殺すのをやめる話なのか、結果殺す話なのかが気になってしまうタイトルだ!
読みやすく、さっと味わえるミステリでおもしろかった。
殺人予備軍の相談室ってあったらおもしろいよね
殺人予備軍の相談室は、設定としては日本ではあり得ないよね~。警察が介入できないとこって国内ではそうそうないだろうし(そりゃわかってますって著者から突っ込まれそう)。
記録も録音もしなければ良いが、まず客(殺人予備軍)を呼べないか。それは置いとこう。
犯罪予備軍って本当に実は沢山いるんだろうな~。殺したいほどに憎むって、なかなか精神力をためされるというか…心が疲弊しすぎてどうにかなりそう。
相談室に行きそうな人は、殺人しなそうって思ってしまったのはごめんなさい。
殺人計画者のいろんなパターン
5つの短編が載っているが、それぞれの殺人計画の結果があっておもしろい。
なるほどって思うものから、そうきたか!って感じのものまで。
最初は必ず殺人予備軍の相談から始まるから、結果がどうなるか少し考えて読むと良いかも!
相談員との会話は、犯罪予備軍の立場から書かれていて、心の動きがわかりやすく、自分ならこれはしないな~とか思ってみたり。少しだけ殺人予備軍の気持ちになりながら読めた。
人は何か悩みがあると盲目的になるよね!殺人予備軍はみんなその傾向あり(本の中で)。
そういう人の相談室だから当然か!
自分自身も悩みがあると、ずっとそのことばっかり考えてしまって。ぐるぐる同じところ思考が回ってしまう時がある。
本当は考えなきゃいいのに、やめられないんだよね~!全然違う体験(旅行とか、友達と出かけるとか)して、忘れるのが一番早い。
後は時間が解決!!
ちょっとした休憩時間に読める、軽いミステリで、たまには良かった★